コロナウイルス感染拡大が猛威を振るった3年間が過ぎ、再び日常生活が活気を取り戻しつつあります。この間、すずしろ医療生協は、コロナウイルス感染拡大と闘いながら地域の医療と福祉を守ってきましたが、2021年、医師・看護師等の感染により診療所の診療活動が縮小し、事業が継続困難になる危機を迎えました。利用者が減少し、医療や介護のサービスを提供する職員も退職が相次ぎ、存続が危ぶまれる大きな危機に直面しました。この年だけで負債が2,000万円を超え、事業継続は不可能かと思われました。
診療所や介護事業所に残った医師、看護師、介護職員は、コロナ感染と闘いながら、発熱外来の取り組みや訪問介護等の事業を継続し、地域の医療・介護のサービスを絶やすことなく奮闘しました。組合員・住民の皆さんや、コロナに感染し在宅で療養された患者さん、外出が困難な中で在宅介護サービスを利用された皆さんに支えられ、すずしろ医療生協は、2022年には前年の大きな赤字を跳ね返し、黒字を計上できる診療所・介護事業所として事業を守り続けてきました。
休日返上で奮闘した医師・看護師・職員や応援の理事たちの力と、診療所の外来等と法人の事業運営に応援に来ていただいた、東京ふれあい医療生協の仲間の支援があったことが、さらに経営改善の大きな力となりました。
経営再建に欠かせなかった医療生協の仲間の支援
経営再建の足かせになったのが、職員不足の問題です。特に医師・看護師等の医療従事者は、コロナ禍の人手不足のため採用が困難で、小さな医療生協の力だけでは補充ができない状況でした。そのような中、東京ふれあい医療生協からは、医師・看護師・職員を「すずしろ」に出向させていただき、事業継続や組織の運営に多大な援助をいただきました。
厳しい小さな診療所経営の環境を乗り越える力を作り出す
コロナ禍での厳しい経営環境は、小さな法人の自前の力では、事業運営の資金確保、運営を支える医師・看護師等の専門職の確保、緊急時の事業継続のための事業運営の在り方などを執行することは、不可能に近いことです。この2年半にわたる「すずしろ」の法人運営の中で、将来にわたる診療所・介護事業所等の事業運営、理事会並びに生協活動の継続、債務の返済等について、令和5年(2023年)当初から、すずしろ、ふれあい両生協の理事長以下の主要役員による協議会を毎月1回開催して議論を深めてきました。医療生活協同組合の原則に基づき、すずしろ診療所・介護事業等の存続と組合員の出資金の保全、債務の返済を実行するために、両生協が合併して協同で行う方向をまとめてきました。両生協理事がお互いの施設を訪問したり、交流会を開催することにより、それぞれが行ってきた生協事業の内容を理解しあう活動を重ねてまいりました。
東京ふれあい医療生協との合併を目指し、地域医療の拠点を再生します
令和6年(2024年)には、この協議会に東京都生協連の役員に参加をしていただき、より広い支援の輪の中で「すずしろ」の事業継続と、組合員の出資金の保全、債務の返済による経営の健全化等について検討し、両生協の合併の協議を進めていきます。医療生協の存続と事業の継続は、東京都の認可事業として進められています。練馬にある医療生協の小さな拠点(すずしろ医療生協)の再建に向けて、東京都にも理解と支援を求めて要請を行ってまいります。
2024年、能登半島地震により、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
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